ここ最近で急激に伸びたバイクの需要
1980年代に大きなバイクブームがありましたが、ブームが過ぎ去って以降はバイクへの需要は下火になったと言われてきました。
ところが、ここ最近になってバイクへの需要が急激に高まっていると言います。
実際、全国軽自動車協会連合会の発表によると、2020年6月からの1年間でその前年と比べて軽二輪、小型二輪ともに新車販売台数が増加していることが報告されています。
2021年4月には、軽二輪の新車販売台数が1万台を超えたほどです。
そのような状況にあって、中古バイクの買取需要も高まりを見せています。
あるバイクファンの話によると、転居にあたって大切にしていた愛車を売らざるを得なくなったとのことですが、そのバイクは1万キロ以上を走った見た目はとてもきれいとは言えない改造車だったとのことです。
きっと極限まで買い叩かれるだろうと思っていたところ、買取業者の査定では想像以上の金額が提示されました。
不思議に思って理由を尋ねたところ、中古バイクの売れ行きが好調すぎて売るバイクが足りなくなっているとのことです。
新車バイクが手に入りにくくなっている
バイクブームは終わったと長らく思われていましたが、実は最近10年ぐらいでは徐々に人気を回復していました。
80年代のバイクブームを体感した世代が、子育てや仕事が落ち着き、ふたたびバイクに帰ってきたことが大きな理由でしょう。
それに加えて、2020年からのコロナ禍により、電車やバスなどの公共交通機関よりもバイクを選ぶ人が増えてきたことも理由に挙げられます。
バイクがあれば通勤で混雑する電車やバスに乗らなくてよいですし、遊びに行くのも一人ですから密を避けられるからです。
そういうわけでバイクへの需要は高まっているのですが、肝心の新車バイクの生産が追いついていない状況です。
最近のバイクには半導体や排ガス規制に対応した部品が必要ですが、コロナ禍による工場の操業停止の影響を受け、バイクを作りたくても作れない状況になったのでした。
中古バイク市場が活況を見せる
「バイクへの需要は高まっているのに新車の生産は追いつかない」ということで、今は中古バイク市場が非常な活況を見せています。
今の中古市場では、生産終了の旧車だけでなく、現行車まで高値で取引されている状況です。
ものによっては新車価格以上で取引される車種もあるそうで、どれほど中古バイク市場が熱くなっているのかがわかります。
新車の場合、メーカーが提示する希望小売価格があるため、販売業者が需要に応じて値上げしたいと思ってもそうはいきません。
その点、中古車なら業者の自由に価格設定ができますから、新車以上に高値で売れる中古車も出てくるのでしょう。
いつまで今の状況が続くのか注目です。